下肢動脈の狭窄・閉塞 「ABI」

ABI　（Ankle Brachial Pressure Index）とは下肢動脈の狭窄・閉塞を評価する指標です。足の血圧を上腕の血圧で割って算出されます。PAD（末梢動脈疾患）は、心血管疾患や脳血管疾患など他臓器障害との合併が多く見られることからも、早期発見が重要です。

ABI≦0.90が末梢動脈疾患の疑いと診断されます。糖尿病をはじめとする生活習慣病の患者さんに診られる合併症です。また、喫煙による影響も大きくなります。

 今日の患者さんHさん　77歳　糖尿病薬6種服用中、喫煙歴50年以上。

ABIは右：084　左0.64.　左下肢の動脈狭窄の疑いありです。症状としては「間欠性跛行（かんけつせいはこう）といい、少し歩くと足が痛くなったりしびれたりすることで歩けなくなり、少し休むと、また歩けるようになります。

私の父が亡くなる前にこの症状があったようで次第に歩くのが嫌になり、下肢動脈閉塞となり、

小指に血液がいかなくなり壊死して切断に至りました。

父の場合は小指だけで済みましたがひどい場合には足首から全切断もあり得ます。

もちろん父はヘビースモーカーで高血圧でした。

最近歩きづらいとか、歩いていると足がだるくなるとかそんな症状があったらぜひ、ABIを測定してください。

簡単に家でABIを計る方法は家にある血圧計で足の袋はぎに血圧計を巻き血圧を測定し、次に上腕部の血圧を測ります。（足の血圧）÷（腕の血圧）≦0.90が動脈狭窄の疑いです。右・左は同じ足と腕で測ってください。

詳しい検査は総合病院の循環器科を受診してください。