男性の更年期障害？老化現象？

更年期障害といえば女性が良く言われますが、男性にもあります。女性と比べて始まりや終わりがわかりにくいので老化現象としてとらえる事も。それは高齢男性の「頻尿」。

トイレに行く回数が増えたとか夜寝てから何度もトイレに起きるとか。うちの患者さんでも7割の高齢男性が排尿困難を訴えます。

本日の患者さんOさん71歳　肥満、糖尿病、高血圧で服薬中です。先日問診時に排尿障害のお話しをされ、近くの総合病院・泌尿科へ紹介しました。「前立腺肥大症」による排尿困難と過活動膀胱、糖尿病など内科的疾患による夜間多尿が複合的に絡んだ状況との事でした。また、内服薬で残尿を増やすものがあったのでその薬を中止することに。専門医に診てもらう事、重要ですね。

男性にしかない「前立腺」ですが、「前立腺肥大症」とはどんな病気？

 加齢とともに男性ホルモンの分泌が減り、そのために男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れることがおもな原因と考えられています。この前立腺が加齢とともに肥大化することにより、尿道や膀胱が圧迫され、さまざまな排尿障害がでてくる病気が前立腺肥大症です。

前立腺肥大症の患者数は増え続けて、現在では50歳以上の男性の2割以上がかかっているといわれています。女性の更年期障害と機序が似ています。女性にも更年期障害の症状のない方もいるし、それぞれ症状は様々ですが性ホルモンのバランスが原因です。

おもな症状は排尿障害

＊頻尿＝トイレが近い。

＊夜間頻尿＝とくに夜、何度もトイレに起きる。

＊排尿遅延＝おしっこの出方が悪い（すぐにでない。時間がかかる）。

＊残尿感＝終わっても、まだ残っている感じがする。

＊尿勢の低下＝尿腺が細くちょろちょろと勢いがない。

まだ分からない部分も多い前立腺肥大症ですが、前立腺および膀胱、尿道への刺激を繰り返していると症状がでやすいそうです。長時間寒い所にいたり、水泳などで身体を冷やしたり、イスに座りっぱなしなどはあまりよくありません。また短時間での大量の水や就寝前のアルコール摂取などは考えものです。このように、前立腺の病気は食生活や運動などとの関わりが考えられます。

排尿障害を悪化させないための生活をぜひ考えてみましょう。