糖尿病合併症「ケトアシドーシス」

糖尿病の合併症として神経障害、網膜症、腎症、脳卒中、心筋梗塞・狭心症は知られていますが、極度の高血糖によって急速に発症する合併症の1つが

「糖尿病ケトアシドーシス」です。

典型的な症状はのどの渇き、多尿、脱水、倦怠感、体重減少があり、昏睡になることもあります。腹痛や悪心、嘔吐など急性の胃腸炎のような症状をともなうこともしばしばあります。「糖尿病ケトアシドーシス」はインスリンの作用が不足して「高血糖」「ケトーシス」「アシドーシス」という３つの病態が引き起こされた状態をいいます。

「高血糖」いうまでもなくインスリンの欠乏で細胞が糖を取り込むことができなず血糖値が上昇し、1000ｍｇ/dlを超える場合もあれば正常血糖の時もあります。

「ケトーシス」とはインスリン作用の低下から細胞のエネルギー不足により脂肪に含まれる中性脂肪が分解され遊離脂肪酸となりエネルギー源として使われる過程で作られる物質の「ケトン体」が増えた状態です。この時のケトン体は尿検査でも見られます。

「アシドーシス」とはケトン体の種類でアセト酢酸とヒドロキシ酪酸という酸性の物質が血液中にたまることで血液のphが酸性に傾きます。

この3つが高度に重なると意識障害に至ります。1型糖尿病を発症した時や2型糖尿病の方が清涼飲料水の過剰摂取が原因で引き起こされるます。また周囲からわかる特徴として呼気がアセトン臭という特有のにおいを持つことや、クスマウル呼吸と呼ばれる大きな呼吸、意識障害、頻脈などがあります。また肝臓や膵臓の逸脱酵素が上昇することもあるそうです。

糖尿病を基礎疾患で持つ方はもちろん、予備軍の方も注意が必要です。このような症状があるときは迷わず受診しましょう。また予防も大事です。バランス良い食事、運動、生活習慣を身に着ける事は言うまでもありません。