子どもの2型糖尿病

 最近は大人だけでなく子どもの2型糖尿病が増えてきているようです。

 もしかして？と思ったらぜひ参考にしてみてください。

 ＜特徴＞

 ・男子より女子に多い傾向がある

 ・80％以上は中学生で小学生は少ない

 ・80％以上が軽度肥満（+20％）と

　高度肥満（+50％）肥満傾向は男子に多い

 ・半数以上の症例に2型糖尿病の家族がいる

 ・学校の検診以外で発見される糖尿病の多くは「多飲・多尿」という症状が現れる。

 ・低出生体重児

 　胎児期に低栄養であると胎児は少ないブドウ糖をできるだけ脳に送る必要があります。

　そのため肝臓や筋肉ではブドウ糖を利用しないような仕組みを発現させます

　（インスリン抵抗性）。

　その仕組みは出生後も持続しインスリン抵抗性という体質を持った状態になり少し肥満傾向に

　なっただけで糖尿病になりやすい。

 ・高出生体重児（母親が糖尿病、妊娠糖尿病、肥満）

 　母体から大量のブドウ糖、脂質、アミノ酸が供給され胎児自身の膵臓でインスリン産生を増加

　させエネルギー過剰状態で出生します。高インスリン血症の体質は出生後も持続し小児以降肥満

　となりさらに2型糖尿病になりやすい。

 ・肥満小児は実際の年齢に比べて骨の成熟が早い傾向があり小学校低学年では身長が高めですが

　中学生以降伸びが止まってしまう。

 

＜子どもの2型糖尿病の治療の原則＞

 ・食事療法、運動療法、生活習慣の改善

 ・早寝、早起き、朝食を食べる習慣を指導

 ・ジュースやスポーツ飲料、間食は控えて

　食物繊維（野菜）を多くとること。

 ・学校の給食はエネルギーや栄養バランス、

　食物繊維量など考えて作られているので

　残さず食べる事。

 ・体育の授業（週3回）休まず参加すること

 ・家庭での間食、夕食、夜食、生活習慣の問題点を把握し改善

 ・体重測定（決まった時間）

 

思春期の肥満の約70％は成人の肥満に移行し、糖尿病を発生させるリスクがあります。

合併症予防のためにも早期発見・早期治療が重要で子どもの心理的な問題や体の成長への配慮も必要。何より子供たちの健全な将来のためでもあります。