腎臓に石！

Mさん　61歳　体重60ｋｇ　BMI21　現役で広島へ単身赴任中。受診のために2カ月ごとに帰阪されます。若い頃から腎臓に石がたまる腎臓結石の症状があります。そのために尿検査ではいつもたんぱくが2+という数値。。クレアチニンも1.70と高く、eGFR は50前後でここ2-3年推移しています。

前回のブログでも書いた高尿酸血症にも少し関連してきますが、この石が腎臓から降りてきて尿管を通り排尿される時はとても痛いそうなんです。。大きければ大きいほど痛いと。先日石が出たそうなのでかかりつけの泌尿科でその成分を調べてもらったそうです。「98%シュウ酸カルシウム」との分析結果でした。一般的に結石として出てくる成分です。

 腎結石ができる原因は？Mさんの場合、遺伝的要素も否めないですが、シュウ酸にはカルシウムと結合しやすい性質があり、腸のなかでカルシウムと結びつくと便と一緒にからだの外に排泄されます。ところがシュウ酸の量が多いとあまった分は尿のなかに出てきます。尿のなかでシュウ酸がカルシウムと結合すると、石のようなかたまりとなって排泄されにくくなり腎臓に障害を及ぼしたり、尿管を詰まらせることになるのです。

食事療法は？

・シュウ酸の多い食品を摂らないこと、とりすぎないこと。カルシウムはきちんと摂る！シュウ酸の多い食品はほうれん草やたけのこ、レタス、ブロッコリー、ピーナッツ、コーヒー、紅茶などなど。たくさんあるんですが全部やめる事はできません。野菜はゆでこぼしてシュウ酸をできるだけ除去して食べる事。

・水分を十分にとること。

コーヒー、紅茶は量を減らし、水分補給は基本的にお水で！お茶を飲むならほうじ茶がシュウ酸含有量が少ないとされています。水分不足になると尿の濃度が高まり結石を起こしやすくなります。小さな結石なら尿と一緒に排泄されることも多いので水分を多めにとることも予防につながります。

・柑橘系くだものの摂取。

　クエン酸はシュウ酸とカルシウムの結合を抑制する働きがあります。みかん、グレープフルーツ、酢の物の積極的摂取。

・動物性たんぱく質や塩分の摂りすぎに注意など。

 本日Mさんはクエン酸ナトリウム配合のお薬が処方されました。単身赴任だし、食事もきちんとできないようなので薬の助けをしばらく借りましょうってことでした。