血圧を上げないために

 「夏より冬に血圧が上がる」というのは常識ですね。もうすぐ夏。血圧も落ち着いてくる方も多いと思います。冬は外気温が低くなり体温を下げないように血管が収縮するから血圧が上がります。

しかし冬でも血圧上がらない人がいるんです。医院の患者さん約100人に対して夏と冬の血圧を比べてどのくらいの人数で冬に血圧が上がるのか、また上がる人と上がらない人の違いは何か？を調べてみました。

年齢、性別、体重、BMI、体脂肪、血液検査、服薬内容、生活習慣、運動量などなど。見えてきたものは、約40％の方が冬に血圧が上がり、降圧薬が増え、そしてその方達の特徴はズバリ、「脂肪」でした。体脂肪が25％以上、中性脂肪値も高く、肝機能にも少し影響がありました。脂肪肝を表す指標です。BMIは24以上で肥満傾向の人、運動量の少ない人で歩数にして5000歩以下でした。

逆に冬に血圧が上がらない人はBMI23、体脂肪22％、腹85㎝以下　歩数は7000歩など。必然的にどうすれば冬に血圧を上げないようにするべきかわかります。

メタボ、肥満の人は血圧が上がりやすい事は既にに知られています。それらの人は過食や過剰に分泌されたインスリンのために交感神経系が刺激され末梢血管を収縮し、血圧が上昇します。 そして肥大した脂肪細胞から分泌されるアンギオテンシノーゲンという生理活性物質にも血管を収縮する働きがあるため、血圧上昇へとつながります。

適正体重を維持すること、バランス良い食事と生活習慣、運動習慣をつけること、つまりBMI23以下、体脂肪22％以下、歩数7000歩以上の維持が健康体への指標だと言う事が改めて顕著になりました。