運動と脳の健康

 運動することは何に対しても良い効果があります。糖尿病治療でも運動することはとても大切です。運動は筋肉の細胞に対してインスリンと同じような効果（糖を取り込む）があります。

認知症と運動の関わりについては、神経細胞に対しても多くの効果があるようです。運動すると筋肉を使い、その筋肉から脳由来の成長ホルモンを増やせという指令が脳に届くそうです。そのホルモンは記憶に関係する海馬領域で特に大切なホルモンで、日々生死を繰り返している神経細胞の新しく生まれる細胞に重要な役割があるそうです。運動するとそのホルモンが増え、海馬領域の神経細胞が増え、記憶が良くなるという訳です。脳の健康維持には運動が重要で、しっかり運動することで認知症のリスクを打ち消しができるという訳です。

医学は日々進歩し、寿命も延び認知症になるリスクは必然的に増大します。超高齢化社会の日本で医療や介護の費用も増え国民負担も増えます。長寿を目指す時、私達一人ひとりが自分の健康に責任を持ち、管理し、認知症を先送りする必要があります。

食生活でも認知症予防ができます。摂取エネルギーを控えめにすることです。肉の脂は飽和脂肪酸が多くアルツハイマー型認知症のリスクを高め、逆に魚の脂はリスクを減らします。認知症リスクが高い嗜好品はたばこや大量の飲酒。しかし、グラス1杯の赤ワインに含まれるポリフェノール、その中でもミリセチンという成分は脳内でのたんぱく沈着を防ぐ作用があるそうです。

 ポリフェノールは肉や魚には含まれない成分で植物が自分の体を守るために作る物質で抗老化作用があります。人間の体はポリフェノールを作り出せないので野菜や果物を食べて取り込み、認知症のリスクを軽減させましょう。またポリフェノールは糖尿病にも有効です。