血管内皮細胞と動脈硬化

足の血圧を腕の血圧で割った比で腹部大動脈から足の動脈にかけての狭窄や閉塞、動脈硬化の具合を反映する指標をABI（Ancle Brachial Pressure Index・足関節上腕血圧比）といいます。

正常値：1.00～1.39　境界域（軽中等度）：0.91～0.99　高度下肢閉塞：0.40以下

ABIの数値が低いと総死亡と心血管死のリスクが高いと言われています。

動脈硬化とは？

動脈壁が分厚くなりしなやかさを失い硬くなった状態をいいます。その中でも「粥状硬化症」がほとんどで心筋梗塞や脳梗塞などの発症原因にもなります。「粥状硬化症」とは大きな動脈（冠動脈や頸動脈等）によくみられ、分厚くなった壁の内側にコレステロール結晶やその炎症細胞からなるドロッとした粥状腫が作られます。また、繊維成分が増加して硬くなり、分厚くなった動脈壁による血管内腔の狭窄です。動脈はただの血液輸送管ではなく血管内皮細胞という細胞に覆われてさまざまな物質を産生・分泌し血管内のバランスを保っています。その内皮機能が障害されるとバランスを壊し動脈硬化が進行します。

血管内皮細胞を障害する疾患は、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満、喫煙などの「酸化ストレス」因子といわれ、特に高LDLコレステロールや中性脂肪が粥状動脈硬化症に進みやすいと言われています。言うまでもなく生活習慣や食生活の乱れが原因です。