食事療法・管理の基本

食事療法は、総エネルギー摂取量を適正化し、糖質、脂質、たんぱく質の摂取を管理することが重要です。

また、膵臓から分泌されるホルモン・インスリンの作用不全による負担を減らし、肥満があれば是正してインスリン抵抗性の改善を図るため、糖質コントロールをする事が基本となります。

栄養バランス、摂取量の調整を行いインスリン作用不足を解消し、高血糖や脂質異常症、高血圧を管理します。その他の生活習慣病や合併症の進展も予防し、健康体を作ります。

しかし、数値だけにとらわれて個人の食習慣や嗜好性などを考えなければ実効性がなく長続きしません。また、栄養バランスはさまざまな慢性疾患の温床となることから様々な制約があります。

例えば慢性腎疾患には「塩分とたんぱく」、動脈硬化予防には「脂肪」、肥満の方には「エネルギー摂取量」など。年齢や性差によっても異なり、高齢者には筋肉量の保持のために一定以上のエネルギーも必要です。

BMIや標準体重、消費エネルギーの数値だけにとらわれのではなく、個人の嗜好性や食習慣を尊重し、食事を楽しみながら継続することが何より優先されるべきです。栄養素は他のさまざまな栄養素と互いに関係しあい体の中で機能しますので食事内容の全体的な検証・評価も必要です。

まず、現状の食事内容を客観的に評価し、是正されるべきポイントを見つけ、個人個人の疾患、生活習慣、食習慣、嗜好性を考慮したその人にあう「オーダーメードの食事療法」を持続可能な方法で行うことが重要です。